中小企業DX推進機構は、外国人従業員の戦力化を目指し、DX・AIを活用した研修や支援を提供しています。外国人技能実習生は言葉の壁もあり教育を施し戦力化するまでに時間を要することも多いにもかかわらず、数年で帰国することもあり早期の戦力化が重要となります。また、従業員の育成・技能伝承だけではなく、御社に眠れる技術を引き出し、組織に定着させていくことも狙いの一つです。また、外国人技能実習生教育やIT活用において補助金を活用できるケースもあります。
外国人従業員の人材育成の流れ
ベテラン・リーダークラスの従業員にヒアリングし担当している業務が具体的にどんな業務があるか細分化。
例)設備点検、材料準備、A商品(スポット溶接)、B商品(アーク溶接)
例)アーク溶接:溶接機の設定、適切なアース位置の判断、適切な開先形状の選定と加工
職長と対象者の面談のなかで現時点で対象者の持つスキルを評価し、それに基づき教育計画を策定する。
DX・AIを活用して対象者の母国語での動画マニュアル等を作成やAIチャットボットにより、質問にAIが母国語で回答する仕組みを構築する。
職長との面談のなかで再度スキルマップと教育計画を策定する。
スキルマップと教育計画の策定
OJTで必要なスキルを身に着けていくためには、必要な能力を明確にし、それぞれの従業員がどの位置にいるかを明確にする必要があります。従業員と相談しながら従業員のスキルマップと育成計画を作成することで計画的に従業員の能力アップを図ることができます。また、スキルマップや教育計画策定の
スキルマップの例
スキルレベル評価基準
レベル5: 指導者レベル(他者に教えられる、最適化・改善ができる)
レベル4: 熟練レベル(複雑・特殊な条件でも高品質な作業ができる)
レベル3: 実務レベル(一般的な条件で単独作業ができる)
レベル2: 基本レベル(指導の下で作業ができる)
レベル1: 入門レベル(基本知識はあるが実践経験が少ない)
レベル0: 未経験(知識・経験なし)
溶接技術
溶接方法 | スキルレベル | 備考 |
---|---|---|
被覆アーク溶接 | 5 | 全姿勢対応可能、指導経験あり |
半自動溶接(CO2/MAG) | 4 | 複雑形状、異種材料の溶接も対応可能 |
TIG溶接 | 3 | ステンレス鋼・アルミの溶接経験あり |
ガス溶接 | 4 | 薄板の精密溶接得意 |
抵抗溶接(スポット) | 2 | 基本操作は可能 |
プラズマ溶接 | 1 | 研修受講済み、実務経験少 |
レーザー溶接 | 0 | 未経験 |
〇〇年教育計画
時期 | 教育項目 | 内容 | 目標レベル | 実施方法 |
---|---|---|---|---|
〇〇年5月 | アルミTIG溶接強化 | アルミニウム合金の溶接技術向上 | 3→4 | 社内専門家による個別指導(週1回×4週) |
〇〇年6月 | 特別ボイラー溶接士試験対策 | 試験対策講習 | – | 外部機関での5日間集中講習 |
〇〇7月-8月 | 超音波探傷試験 | 基礎から実践までの技能習得 | 1→2 | 社外研修(2日間)+現場での実践訓練 |
〇〇年9月 | JIS溶接技能者資格SA-2F対策 | 試験対策実技トレーニング | – | 社内トレーニングセンター(3日間) |
〇〇年10月 | プレゼンテーションスキル | 技術伝達能力向上 | 2→3 | 社内コミュニケーション研修(1日間) |
〇〇年11月-12月 | 若手技術者指導法 | 効果的な技術指導方法の習得 | 4→5 | メンター制度での試行(10回) |
スキルマップや教育計画の作成から評価までAIの活用を模索します。
DX・AIによるマニュアルの作成(補助金活用)
外国人人材の活用が拡大する中、言語・文化の違いを乗り越え、技能伝承や作業指導を円滑に行うことが求められています。
当社では、AR技術、動画ツール、チャットボットを組み合わせた包括的なコンサルティングサービスを提供しています。
例えば以下のようなDX活用が考えられます。
- ARマニュアル構築
マーカー認識型ARで現場に即した直感的な作業指示
スマホ・タブレットで手軽に閲覧可能
三次元的な理解を促進し、言語の壁を低減 - AIツールを活用した動画マニュアル制作支援
作業手順を動画化し、わかりやすく視覚で伝達
自動字幕生成・多言語翻訳に対応
ナレーション追加、図解アニメーション作成にも対応 - AIチャットボットを活用したサポート
作業マニュアルに連動したFAQチャットボットを作成
外国人材が現場でスマホから即座に疑問解決
多言語対応、シナリオ対話形式でのトラブル防止
必要に応じ利用できる補助金などもご提案します。
自社の属人的な技術を見える化
企業が長年培ってきた貴重な技術やノウハウは、しばしば特定の熟練従業員に依存し、「属人的な技術」となりがちです。
そのため、従業員の退職や人材不足によって、技術の継承や生産性の維持が困難になるケースが増えています。
当社では、上記の方法で最新のAI技術とDXを活用し従業員が持つ属人的な技術や経験を引き出し、それらをわかりやすいデジタルマニュアルとして可視化します。
これにより、従業員ごとの技術レベルの差を解消技術継承・新人教育を迅速かつ正確に技術の標準化による生産性向上を実現し、個人の経験を組織全体の財産へと変えていきます。